幅広い年齢層から親しまれている武道「合気道」
若い女性が護身術として武道を習得するなど、今武道は大人の方々にも高い人気を得る武道です。
合気道というと自分の身を守るすべを習うことができるとして注目される武道ですが、ただ護身だけに利用するのではなく、体力強化、精神力強化、また柔軟性のある体作りという部分でも、効果的な武道です。
海外の方の中にも積極的に合気道を習う方が多くなり、日本文化を深く理解してもらう国際交流という面でも一役かっています。
合気道とはどういう武道なのか
侍の時代は相手を倒すということが目的の武術が盛んでしたが、合気道は相手の力と自分の力を同化させてコントロールするという武道になります。
武道というと柔道や剣道等、ある程度の力が必要となるものもありますが、合気道はきゃしゃで力のない女性でも鍛錬を積むことで力を使わずに鍛錬できる武道なのです。
一部会派は試合がありますが、通常合気道には試合がありません。
合気道は競い合う精神から念が生じ、それが隙となると考えられているので、相手と対戦し競い合う競技がないのです。
勝っていれば次もまた勝つぞとモチベーションを高く保つことができますが、負けてしまうと「どんなに頑張っても勝てない」とモチベーションが下がります。
勝ち負けがない、優劣を競いあうことがないからこそ、長く趣味としても楽しむことが可能です。
合気道の道場では小さいお子さんからおばあちゃん、おじいちゃんまで鍛錬に来られていて、非常にアットホームな雰囲気があるところも多く、幅広い年齢層の方々と交流することによって上下関係や相手を敬う心など、心を成長させる場となっている所も少なくないといいます。
黒帯、はかま姿は美しく憧れの存在
合気道をする方々の憧れは、やはり黒帯と袴の姿、これは海外の人ばかりではなく私たち日本人も憧れる姿です。
黒帯になるまでには鍛錬が必要となりますし、黒帯になるために稽古に精を出すことができるといいます。
黒帯を取得できれば達成感があり、この先、もっと鍛錬し上を目指そうという志を持つことができるのも、継続的に鍛えることができる要因となります。
護身術を習得するために稽古に励む方も多い
日本は安全な国といわれていますが、昔よりも凶悪な事件が多くなり、いつ何時何かのトラブルに巻き込まれるかわかりません。
女性も自ら身を守るということが必要になる場面があるかもしれないと、自分の身は自分で守るという精神で稽古を受けている方が多いです。
力が弱い女性が力づくで襲ってくる犯罪者から身を守るためには、力で対応するのではなく、相手の力を利用しコントロールすることでいなす能力が必要です。
自分にとって有利な状況を作る事こそ合気道です。
武器を持っている相手などには無理に立ち向かう必要はありませんが、逃げる事が出来ない時、相手の力を利用した合気道ができれば身を守るために役だつ鍛錬となるでしょう。
心豊かに、心を鍛えて心身共に健康になるために
デスクワークが多い方は体が凝り固まり、姿勢がゆがむということもありますし、血液やリンパ液の流れが滞り、体に支障をきたすこともあります。
合気道の基本の技についてはストレッチ効果があるといわれており、仕事などで凝り固まった体をしっかりほぐし、常に柔軟な体を作るために最適な動きを習います。
有酸素運動ともなるので呼吸を整えながら稽古を積んでいくことによって、気持ちがすっきりし、姿勢もよくなり心身共にリラックスした状態を作ることもできます。
身体の健康は心の安定が大切、ストレス社会に生きる現代人にとって合気道は最高の武道といえるのかもしれません。