木版画とは?
今年こそはきちんと準備して年賀状を作ってみたいという人におすすめなのが、木版画で作った年賀状です。
木版画というのは英語では「woodcut」または「xylograph」と呼ばれており、800年代から中国で生産されていたことが歴史に残っています。
木版に彫刻刀で図版を彫りつけたものが木版画で、日本では江戸時代に発達しました。
小学校でも4年生ころから木版画製作が行われており、彫刻刀の使い方などを学ぶことができます。
木版画には「一版多色刷り木版画」の他に「彩色木版画」や「彫り進み木版画」などがあり、それぞれの用途によって使い分けられています。
彫刻刀の使い方
彫刻刀には「丸刀・小丸刀」の他に「三角刀」「平刀」「切り出し」など、いくつかの種類がありますので用途に応じて使い分けることが大切です。
丸刀は、柔らかい線が掘れるのが大きな特徴で、力の入れ方によって、線を自由自在に変えることができるのがメリットです。
三角刀は、細くて鋭い線を彫りたいときに使用します。
三角刀よりもシャープな線を入れたいときには、切り出しを使います。
平刀は掘る面積を広くしたいときによく使われる彫刻刀となっています。
彫刻刀は右手の親指と人差し指、中指で持ち、左手で動きをセーブするようにし、掬い上げるように掘っていくのがコツです。
年賀状の作り方
最近では年賀状をFacebookやInstagramで済ましてしまう人も多くなっていますが、紙刷りの年賀状にはSNSとは違った格式があります。
昔から続いてきた習慣を大切にして、今年は年賀状を手掘りで作成してみませんか?
友人や仕事相手から、高い評価を受けること間違いなしです。
手掘りの年賀状を作成する際には、まず下書きを作ります。
ハガキに収まる大きさで、翌年の干支などをデザインに選んで下書きを作りましょう。
下書きができたらコピーをし、木版に貼り付けます。
貼り付けるのにはやまと糊を薄くしたものがおすすめです。
糊がすっかり乾いたところで椿油を下書きに吹きかけ、下絵を透かすようにします。
版画では「見当をつける」ことが大切ですから、あとからズレないよう慎重に見当をつけましょう。
見当を掘ったら次はいよいよ図版を掘る作業に入っていきますが、図版を掘る際には力がかなり入るので、作業台を用意するのがおすすめです。
木版の下に滑り止めのマットを敷いても快適に作業をすることができます。
干支と年数を掘る場合には、ふたつの木版を用意すると便利です。
木版ができたら「摺り」に入るのですが、摺りにはまだらな「ごま摺り」と均一に仕上がる「ベタ摺り」の2種類がありますので、どちらにするかをあらかじめ決めておくことが大切です。